かぎたばことは?かみたばことの違いと、特長を活かす活用シーン例

人々の健康意識が高まるなか、日本国内では気軽に喫煙できる場所がどんどん少なくなってきています。もっと場所や状況を気にせずたばこを楽しみたい、と考える方のなかには、嗅ぎたばこへとシフトする方も少なくありません。本記事では、嗅ぎたばこの特徴や気になる疑問と回答を整理しました。

無煙たばこの一種・嗅ぎたばこについて紹介

昨今は喫煙できる場所が次々と失われ、肩身が狭いと感じている喫煙者も少なくありません。そんななか、注目を集めているのが無煙たばこの一種である嗅ぎたばこです。

そもそも嗅ぎたばことは?

嗅ぎたばこは、使用時に煙が出ない無煙たばこの一種です。無煙たばこは、たばこ葉を詰めた小袋などを口に含む、または乾燥たばこを鼻腔内に塗布して吸いこむなどして、味や香りを楽しみます。

噛みたばこも無煙たばこの一種です。こちらは、たばこ葉や甘味料、ハーブなどを組み合わせたものを口のなかに含み、噛んでニコチンを摂取します。嗅ぎたばこと異なる点は、口のなかに溜まった唾液を吐きだす必要がある点です。

これらの無煙たばこは、使用にあたり煙やにおいが発生しないため、喫煙が禁止されている場所でも使用できます。唇と歯ぐきのあいだに挟むだけなので手軽にニコチンを摂取でき、周りからもたばこを嗜んでいると知られにくい点も特徴です。

紙たばこや葉巻のように灰が発生せず、部屋が埃っぽくなりにくい、服などににおいがつきにくいといったメリットもあります。


鼻からニコチンを摂取する「スナッフ」とは?

スナッフは嗅ぎたばこの一種であり、微粉末状にしたたばこを鼻腔内の粘膜から摂取します。ナポレオン一世や著名な哲学者などが愛用していたと伝わっているものの、日本ではあまり普及しませんでした。

使用の方法としては、微粉末状のたばこを指でつまみ、左右それぞれの鼻腔へ吸いこむやり方が一般的です。手のひらにのせたスナッフに鼻を近づけ、吸いこんでニコチン摂取する方法もあります。粉末を吸いこんだあとは、指で鼻をつまみ、粘膜に付着させてニコチンを吸収します。

初めてスナッフを使用するときは、できるだけ少量からスタートしましょう。量が多いとくしゃみや咳の原因にもなってしまいます。

口からニコチンを摂取する「スヌース」とは?

こちらは嗅ぎたばこの一種であり、たばこ葉やハーブなどを詰めたパウチ(ポーション)を口腔内に含んで粘膜からニコチンを摂取するものです。唇と歯ぐきのあいだに挟むことで、粘膜からゆっくりとニコチンが吸収されます。

魅力としては、さまざまな風味の製品がリリースされている点です。バニラやミント、コーヒーなど、バリエーションに富んだフレーバーを使用したものがあり、自分好みの製品を見つけられます。

多少の慣れが必要なスナッフと違い、初心者でも手軽かつ簡単に使用できる点も特徴です。ケースに収納されているパウチを取りだし、口のなかに含むだけで使用できるため、まったく難しくありません。もともとは海外の国々を中心に広がりを見せていたものの、近年では日本でも日本人向けの製品がリリースされ、注目を集めています


嗅ぎたばこの歴史

嗅ぎたばこの歴史は古く、もともとは南アメリカの先住民が愛用していたと言われています。その後、嗅ぎたばこはヨーロッパにも広がりを見せ始め、フランスのブルボン王朝時代には多くの貴族が使用し始めました。

もともとフランスの貴族が楽しんでいたのはパイプたばこでした。しかし、喫煙した煙を鼻から吐きだす行為が下品であるとみなされ、パイプたばこの使用が禁じられてしまいます。そこで、煙が発生しない嗅ぎたばこに注目が集まり始め、少しずつ浸透していきました。

スヌースのように、口内の粘膜からニコチンを摂取するタイプの嗅ぎたばこはフィンランドが発祥とさわれています。16世紀後半にはヨーロッパ各地に広がりを見せ、18~19世紀ごろになるとフランスやアメリカなど、多くの欧米諸国で流行しました。日本ではまだまだ知名度が低いものの、アメリカやスウェーデン、ノルウェーなどの国々には多くの使用者がいます。


嗅ぎたばこの使い方

一般的によく知られる、たばこ葉に火をつけて喫煙するスタイルとはまったく異なるため、正しい使い方を理解しておく必要があります。摂取するのが鼻からなのか、それとも口からなのかによって使い方が大きく異なる点に注意しましょう。


鼻からニコチンを摂取するタイプ

まずは、スナッフのパッケージから適量を取りだします。利き手の親指と人差し指で微粉末状のスナッフを軽くつまみ、もう片方の手の甲側、親指と人差し指の付け根あたりにのせましょう。目安としては、米粒一つくらいの量です。

手にのせたスナッフに鼻を近づけ、片方ずつ吸いこみましょう。勢いよく吸いこむとむせるおそれがあるため、ゆっくりと吸いこんでください。両方の鼻孔から吸いこんだら、親指と人差し指で鼻を何度かつまみ、スナッフを粘膜にこすりつけていきます。これが、一般的なスナッフの使い方です。

慣れてきたら、利き手の指でつまんだスナッフを、そのまま鼻に吸いこんでも問題ありません。慣れないうちは、鼻腔内に違和感を抱いたり、くしゃみが出たりするため、ごく少量から試してみましょう。


口からニコチンを摂取するタイプ

パッケージからパウチを一袋取りだし、唇と歯ぐきのあいだに挟みましょう。挟んだ状態で少し経つと、パウチからニコチンやハーブなどの成分が滲みだし、口腔内の粘膜からゆっくりと吸収されます。

使用にあたっての目安時間は15~30分程度です。30分ほど経つと、風味や香りがだいぶ薄れてくるため、使用をやめるか新しいパウチに交換しましょう。使い終わったパウチはごみ箱などに廃棄してください。捨てる際には、紙などに包みましょう。もちろんポイ捨ては禁止です。


嗅ぎたばこの使用感

口に含むタイプの嗅ぎたばこは、メンソール系やフレーバー系の製品が市場に流通しています。スッキリとした爽快感を味わいたいのならメンソール系を、さまざまな香りを楽しみたいのならフレーバー系を選ぶのがおすすめです。


メンソール系

ミントの爽快感や清涼感を味わえるのがメンソール系の特徴です。初心者にも適した使用感の軽い製品もリリースされているため、初めて口に含む嗅ぎたばこを嗜む方はこちらから試すとよいかもしれません。

メンソール系の嗅ぎたばこは、唇と歯ぐきのあいだにセットすると、ピリピリとした軽い刺激を感じます。その状態で放置しておくと、少しずつじんじんとした刺激に変化し、ニコチンが粘膜から吸収されている感触を楽しめます。

もっと強い爽快感や清涼感を味わいたいのなら、少し刺激が強めの製品を選択してみましょう。セットしたあと、歯ぐきにズンズンとした刺激が加わり、満足感を味わえます。


フレーバー系

さまざまな香りを楽しみたい方は、フレーバー系の嗅ぎたばこを検討してみましょう。ラズベリーやブラックベリー、ブルーベリーなどを使用した製品は、低刺激なうえに甘酸っぱくもやわらかなアロマの香りを楽しめます。唇と歯ぐきのあいだにセットしているだけで、心地よい香りを30分程度楽しめる点が魅力です。

少し変わったフレーバーとして、ロイヤルミルクティーやコーヒーが挙げられます。直接的に、牛乳やコーヒー豆、茶葉などの抽出物を使用してはいないものの、一般的な紙巻たばこでは味わえない独特の香りを味わえます。


嗅ぎたばこに関するよくある疑問

鼻で吸うたばこはありますか?

無煙たばこの種類は大きく2つです。口や鼻の粘膜からニコチンを摂取する嗅ぎたばこ、そして口のなかで葉たばこをガムのように噛んで楽しむ噛みたばこです。日本における噛みたばこの知名度や認知度は低く、世界的に見てもそこまで普及していません。ただ、現在でもアメリカの一部地域やインドなどには、噛みたばこを嗜む方が一定数います。

鼻から吸いこむタイプの嗅ぎたばこはスナッフと呼ばれます。細かく粉砕されたたばこ葉の粉末を、鼻から少量吸いこんで粘膜からニコチンを摂取するタイプです。パイプ愛好家のなかには、パイプに詰めたたばこ葉の上にスナッフをふりかけ、より自分好みにカスタマイズする方もいます。

日本において、鼻で吸うタイプの嗅ぎたばこはあまり流通していません。製品を取り扱う店舗が少なく、銘柄の数も少ないため、好みの風味や香りの製品を見つけるのは難しいのが現状です。


嗅ぎたばこはどこで買えますか?

口腔内の粘膜からニコチンを摂取するタイプなら、全国のたばこ販売店や、たばこを専門的に扱うオンラインショップなどで購入が可能です。
URL:https://www.shopglovelo.jp/velo


嗅ぎたばこは飛行機で吸えますか?

嗅ぎたばこは使用に際し火を使わず、加熱式たばこのように熱が発生することもありません。現在、飛行機の機内は国内線、国際線を問わず全面禁煙となっているものの、火を使わず煙も出ない嗅ぎたばこは規制の対象外です。そのため、飛行機や新幹線、高速バスなど、乗り物内での使用にも適しています。

路上喫煙が禁止されているエリアや公共施設の屋内などでも、嗅ぎたばこなら場所を問わず使用可能です。煙が出ないため周りに迷惑をかける心配がなく、服や持ち物にたばこ特有のにおいも付着しません。

また、紙巻たばこのように灰を落とす動作も不要なため、パソコン作業や読書をしながら楽しめるのも魅力です。しかも、嗅ぎたばこは30分程度効果が持続することから、長時間喫煙できない環境下でも重宝します。

ただ、飛行機での使用にあたっては、周りの乗客に不快感を与えるおそれもまったくないとは言えません。そのため、航空会社によっては使用できない可能性もあります。嗅ぎたばこの使用が問題ないかどうか、あらかじめ確認しておくとトラブルを避けられて安心です。

まとめ

嗅ぎたばこと噛みたばこは、どちらも火を使わず煙が出ない無煙たばこです。嗅ぎたばこには、鼻から吸いこむものと、口内にセットして使うものがあり、前者はスナッフ、後者はスヌース、またはオーラルたばこと呼ばれます。

嗅ぎたばこは、場所を問わずに使用でき、煙やにおいで周りに迷惑をかけるリスクを大幅に軽減できる点が魅力です。喫煙者への風当たりが強い現代において、嗅ぎたばこは有力な選択肢の一つとなるでしょう。

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