たばこのニオイを消す方法は? 部屋・服・口にも使える“場所別”対処法

紙巻たばこを吸うときに発生する煙には、粘性のあるヤニ(タール)を含む多種多様な化学物質が含まれています。そのため、壁紙や所持品、衣服などに付着すると、なかなかニオイが取れません。本記事では、たばこ臭を消す方法を場所別に解説するとともに、たばこ臭の予防方法もご紹介します。たばこ臭でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

気になるたばこのニオイの消し方は、場所によって異なる!

空間に染みついてしまったたばこのニオイを消したい場合、ニオイが付着した場所によって対処法を変える必要があります。

2016年にまとめられた厚生労働省の報告書によると、紙巻たばこに含まれる主流煙の成分には約5,300種類もの化学物質が含まれており、その中には悪臭の原因となるさまざま物質が含まれているとのことです。たとえば、アセトアルデヒドやアンモニア、トルエンなどは環境省が指定する特定悪臭物質に該当します。

煙に含まれる多種多様な化学物質は空気中を漂い、部屋の壁や持ち物、衣服などに付着し、独特なたばこ臭を放つようになります。ニオイを消すには、場所や素材にあわせた対処法が必要です。服についてすぐのニオイと、部屋の壁や家具などにこびりついて時間が経ったヤニ汚れのニオイは、同じやり方ではきれいになりません。

次項からは、以下の4パターンに分けて具体的な対処法を解説していきます。たばこ臭が気になる方や、たばこのニオイが苦手で消し方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

・部屋や車についた場合
・服・髪の毛についた場合
・口・息がたばこ臭くて困っている場合
・バッグの中身など持ち物からたばこ臭がする場合

部屋や車についたたばこのニオイの脱臭方法

まずは部屋や車内など、気密性がある空間でたばこ臭が気になった場合の消臭方法について解説します。市販のアイテムで解決できるため、ぜひ試してみてください。

重曹で壁や天井を拭き掃除する

壁や天井についたたばこ臭やヤニを落としたい場合は、重曹が効果的です。ニオイや黄ばみ汚れの原因となる粘着性のタール(たばこのヤニ)を落とすには、油汚れに強いアルカリ性の成分がよく効きます。そのため、アルカリ性かつ洗浄力に優れた重曹が洗剤として有効です。日常の部屋の掃除にも使えるため、たばこの消臭以外にも重宝します。

掃除に使う際は、重曹水を作ります。作り方は簡単で、バケツに40℃くらいのぬるま湯を注いで、重曹大さじ3杯をよく溶かします。

掃除するときの準備として、洗剤を入れるスプレーとスポンジやブラシ、拭き取り用の乾燥タオルを用意します。掃除をする段階では、はじめに汚れやニオイが気になる壁や天井に洗剤を吹きつけます。洗剤により素材が傷む場合は調整が必要なので、試し拭きから始めるのがおすすめです。

汚れがある場合は、用意したブラシなどで優しくこすってきれいにしましょう。濡れたままだと壁紙を傷める可能性があるため、乾拭きを忘れないようにしてください。洗濯しづらいカーテンやソファ、車の座席の布シートにも同じような効果が期待できます。

クエン酸水を吹きかけて拭き取る

たばこ臭の成分には、アルカリ性と酸性の物質が混在しています。例を出すと、煙に含まれるアンモニアはアルカリ性です。そのため、アルカリ性の重曹で掃除してもなおニオイが残っている場合、酸性をもつクエン酸水で洗ったり拭き取ったりすると、アルカリ性由来のニオイが消えることがあります。

クエン酸水の作り方は、水と市販のクエン酸を混ぜるだけです。洗濯できるタイプのカーテンや布カバーなら、洗濯機を回すときに洗剤と一緒に入れてみましょう。洗濯できないものの場合は、水で薄めたクエン酸をスプレーに入れて吹きかけ、乾拭きしてみてください。

空気清浄機や脱臭機を設置する

たばこ臭が部屋につくのを防ぐ方法として、換気扇を回して風の通りをよくするやり方があります。空気がこもったままだと、煙と一緒にニオイが部屋に残り、そのまま車内や部屋の壁・家具などに付着してしまうからです。

換気をしてもあまり改善が見られない場合は、空気清浄機や脱臭機を使ってみてください。これらは、たばこ臭を軽減するのに役立ちます。空気清浄機の中でも、特に脱臭フィルターや活性炭フィルターつきの製品がおすすめです。脱臭機の場合は、オゾン脱臭機能があるものがよく利用されています。

こういった家電は便利ですが、過信は禁物です。たばこ臭の軽減には役立つものの、ニオイ物質を完全に除去できるわけではない点に注意しましょう。

服や髪の毛についたたばこのニオイを消す方法

自分が喫煙するともちろんニオイがつきますが、喫煙しなくても外出先や飲食店などで喫煙者とニアミスすることでニオイが付着するケースもあります。ここでは、そうした場合に役立つ消臭方法について解説していきます。

消臭スプレーを全体へ吹きつける

衣服用・髪用の消臭スプレーを使うことで、たばこ臭を軽減できます。使い方は簡単で、ニオイが気になる髪や衣類に全体的に吹きつけるだけです。

髪の毛に吹きかける場合は、少し離した状態で全体的に湿るようにスプレーし、しっかり乾かします。つける量が多いと、スプレーの消臭液でベタつくことがあるため、使用回数には気をつけてください。消臭スプレーのほか、製品によってはヘアケア商品や寝癖直しスプレーなどにも、たばこ臭をカットする成分が含まれていることがあります。

衣服に吹きかけるときは、20cmくらい離してスプレーします。湿っていることがわかる程度で十分です。無香料の場合はやや多めに吹きつけても大丈夫ですが、香料があるタイプの消臭スプレーの場合、香りがキツくなってしまうため注意しましょう。人の嗅覚はニオイに慣れやすいようにできているため、自分は気にならなくても、周りは香りが強すぎると感じる場合があります。

香料があるタイプを選ぶ場合、たばこと相性のよい香りを選ぶと、気になるニオイからたばこと香料が調和した落ち着くニオイに変えられます。具体的には、アンバーウッディ系やインセンス系(白檀などのお香によくある香り)などが好相性です。ただし、香り選びに失敗するとニオイが悪化しかねない点には注意する必要があります。

ドライヤーで温風と冷風を吹きかける

髪・衣服についたニオイは、ドライヤーの風を吹きかけることでも消臭できます。温風と冷風を交互に切り替えながら風を当てるだけで、ある程度たばこ臭を取ることが可能です。衣類用・髪用の消臭スプレーがある場合は、それらをかけたうえで行うとさらに効果が期待できます。手軽で試しやすい方法です。

アイロンなどでスチームをあてる

服についたニオイがしつこくて取れない場合、アイロンやスチーマーから出る高温の蒸気を当てると消臭できます。蒸気をしばらく当てたあと、衣服を振って蒸気を追い出すことで、水分ごとたばこのニオイ物質がなくなり、ニオイが緩和されます。アイロンなどがない場合は、蒸気が残っている浴室に置いておくのも手です。蒸気に当てたあとはしっかりと乾燥させましょう。スーツなど洗濯できない衣服の消臭におすすめの方法です。

口や息から漂うたばこのニオイの消臭対策

喫煙するとどうしても避けられないのが、たばこの口臭です。これは、タールなどが歯や舌に付着することにより生じますが、歯科グッズを活用して口腔ケアを行うことで対処できます。

マウスウォッシュで口をすすぐ

時間をかけずに手早くたばこの口臭ケアをするなら、マウスウォッシュがおすすめです。喫煙者はあまり気にならないかもしれませんが、周りの人からすると、たばこを吸ったあとの独特の口臭はキツく感じることが多いようです。そのため、喫煙後はマナーとして口臭ケアをしておくほうがよいでしょう。

自宅で吸った場合は、市販のマウスウォッシュを使うことでサッと手軽にケアできます。製品によっては、味の種類が豊富なものや、口腔ケアの効果が期待できるもの、低刺激タイプなどさまざまなものがあるため、自分にあったものを選びましょう。ホワイトニング効果のあるタイプを選ぶと、ヤニ汚れ対策になるため便利です。

外出先で喫煙して口臭ケアをしたい場合は、携帯タイプの使い捨てマウスウォッシュがおすすめです。持ち運びやすい小分け包装のため、デートや仕事で人と会う約束をしているときに重宝します。

舌ブラシやデンタルフロスも使って歯を磨く

たばこ臭の原因でもあるタールは粘度が高く、軽くすすいだ程度ではニオイが取れないことがほとんどです。そのため、歯磨きして口内を丁寧にケアするようにしましょう。

おすすめの歯科用品として、歯ブラシのほかに歯間ブラシやデンタルフロス、舌ブラシなどが挙げられます。手間はかかりますが、できれば喫煙後に歯磨きするのが理想的です。難しい場合は、いつもの歯磨きのタイミングで歯間ブラシなどを併用して、隅々まできれいにするだけでもだいぶ違います。

また、タールは舌に付着すると、舌苔になってニオイを発することがあります。その場合は、舌ブラシを使うことでケアできるので、ぜひ試してみてください。回数は1日1回で十分ですが、舌は非常にデリケートであるため強くこすりすぎないよう注意しましょう。マウスウォッシュと併用するのも効果的です。

バッグなどの持ち物についたたばこ臭の対処方法

バッグの中には小物などの所持品が入っていますが、煙が充満する喫煙室に持ち込むと、たばこ臭が移ることがあります。自室で喫煙する場合も同様です。以下では、持ち物からたばこ臭がする場合の消臭方法について解説していきます。

消臭剤と一緒にビニール袋へ入れ、しばらく置く

置くタイプの消臭剤は、喫煙する場所に置いておくだけで消臭効果が得られますが、所持品のたばこ臭を消すピンポイントな使い方もできます。

やり方は簡単で、置くタイプの消臭剤とたばこ臭がする所持品をビニール袋の中に入れるだけです。そのあと1~2時間放置するだけで消臭剤の効果が働き、持ち物についたたばこのニオイが取れます。1~2時間置いてもまだニオイが残っている場合は、取れるまで密閉した状態でしばらく置いておきましょう。たばこ臭向けの消臭剤もあるため、もし見かけたら実践してみてください。

革製品は、専用のクリーナーで拭き取る

丈夫な素材の場合は、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水、クエン酸水を使って拭き取ることで消臭効果が得られます。ただし、革製品は水に濡れるとカビが繁殖しやすくなるため、濡れた部分は優しく拭い、乾かすことを忘れないようにしてください。

本革のバッグなどデリケートな素材の場合は、革専用クリーナーを使って拭き取るのがおすすめです。クロスを用意し、クリーナーをつけて革を丁寧に拭いてみましょう。拭き終わったら、風通しのよい場所で陰干しするとニオイが消えています。

高級革素材の場合、自分で手入れをすると素材を傷めてしまう可能性があるため、心配な方は専門のクリーニングなどに出すのがよいでしょう。

革製品は、ニオイがつきやすい性質があります。ニオイの付着を予防する方法として、湿気の少ない場所に置いたり、湿気取りと一緒に保管したりするのがおすすめです。また、普段から直射日光を避けた風通しのよい場所に置いておくと、気になるニオイがつきにくくなります。

たばこ臭には、そもそも「ニオイをつけづらくする」対策が重要

たばこの煙にはさまざまな成分が含まれているため、一度付着すると、気にならない程度まで消臭するのに手間がかかります。そのため、日頃からたばこ臭が身の回りのものや衣服につきにくくなるような習慣を心がけ、対策を立てておくことが大切です。ここでは、その具体的な対策方法について解説します。

消臭・防臭アイテムも上手に使って、ニオイの付着を予防しよう

普段の心がけ次第で、身の回りのものに付着するたばこ臭を予防することが可能です。たとえば、室内で喫煙するときは換気を毎回する、といったことも予防手段のひとつです。

ほかには、消臭グッズを活用する手もあります。髪にニオイがつくのを予防するには、ニオイガード効果のあるヘアミストが便利です。衣服のたばこ臭に対しては、消臭効果のある柔軟剤で軽減できます。たばこ臭向けの商品もあるため、気になる方はぜひチェックしてみてください。

また、たばこ臭をつけたくないものが部屋にある場合は、消臭剤を振りかけておくと予防になります。スプレータイプの消臭剤を使う場合、液体がサラサラしている非粘性のものがおすすめです。粘性の場合、ニオイの原因物質を集めて悪化させる可能性があります。

このように、たばこ臭対策にはそもそもニオイをつけないようにする予防が肝心です。たばこ臭の対策グッズは探せば数多くあるため、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。

気になるニオイや煙の少ない“オーラルたばこ”を選ぶのもおすすめ

たばこ臭を予防する対策の一つとして、煙が一切発生しないオーラルたばこを選択するのもおすすめです。オーラルたばこはたばこ葉を包んだパウチ(小袋)を口内に入れ、じわじわと溶け出す味と香りを楽しむ製品です。たばこを燃焼させないため煙とヤニが発生せず、部屋の壁紙や車内に臭いが染みつくことがありません。衣服がたばこ臭くなる心配も不要です。

オーラルたばこ「VELO(ベロ)」の場合、ニコチンは含有されていますが、紙巻たばこに比べ有害物質の発生が約99%削減※ されています。喫煙の満足感とニオイ対策を両立したい人には最適なたばこです。紙巻たばこには紙巻たばこならではのよさがありますが、煙とニオイの影響が気になる方にとって、オーラルたばこは選択肢の一つとなるでしょう。

※ 世界保健機関が紙巻たばこ煙中から低減を推奨する9種類の有害性物質の平均値に関して、リファレンス紙巻たばこ(タール約9mg)から出る煙とVELOパウチの使用中に発生する物質とを比較した結果、約99%低減されていることを意味します。本製品は依存性のあるニコチンを含みます。この表現は、健康へのリスクがないことを意味するものではありません。 

まとめ

一度ついてしまうとなかなか取れないたばこ臭ですが、場所ごとに適した消臭方法を押さえておけば、ケアは比較的容易です。具体的な方法としても、市販の洗剤や消臭グッズを使えば十分対応できるため、人と会うときなどに備えて用意しておくとよいでしょう。

また、たばこ臭の対策としては、そもそもニオイがつかないように予防する習慣を心がけることも大切です。煙が出ないオーラルたばこは、ニオイ対策の選択肢の一つです。一度お試ししてはいかがでしょうか。

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